お月見のいわれ

朝晩は少し涼しくなって、過ごしやすくなりましたね。
もうそろそろすすきの銀色の穂が、さわやかな風に揺れる頃です。
仲秋は旧暦8月15日(新暦では9月中ごろ)のことで、この夜の満月を
仲秋の名月、あるいは
十五夜といいます。
この仲秋に、農作物の収穫を祝って名月に供え物をし、月の美しさを愛でるのが
お月見です。
月にお供えするものは、その時期に収穫した農作物で、米の粉で作っただんご、里いも、枝豆、栗などの秋の味覚でした。
仲秋の名月のころは特に里いもの収穫が盛んなので、別名
いも名月ともいいます。
古来から中国では、瓜、果物、月餅という木の実たっぷりの餡菓子などを捧げて名月を鑑賞する習慣がありました。
それが日本に伝わったのですが、日本でもそれ以前から、同じ時期に稲の収穫を祝う初穂祭や里芋の収穫祭がおこなわれていたようです。
また、月のシルエットから、月世界では生い茂る月桂樹をウサギが杵でつき、不老長寿の薬を作っているのだという物語も中国から伝来しました。
月光を浴びて長命を祈願したという民間伝承もあったようで、これらの行事が合体して、すすきの穂、秋の実り、だんごを供える風習が定着したようです。

中国では月餅を供えますが、日本ではやはり
月見団子が欠かせませんね。
団子の数は、十五夜にちなんで十五個というのが一般的です。
月に供えたあとさげた月見団子は、翌日にでもちょっと手をかけて、おやつなどとしていただきましょう。
堅くなったものも、電子レンジを利用すれば、簡単に柔らかくもどります。
きな粉をまぶしたり、粒あんをのせたり、砂糖じょうゆを絡めたり、お好みでどうぞ ('-'*)
昔は、各家の縁側などに置かれているお団子をはじめ、月見の供物は他人が取ってもよいとされていたそうです。
もちろんこの夜に限ってのことですが、畑の作物などを盗むことも認められていたといいます。
これは、収穫に感謝する意味合いを持つ月見の供物は、みんなのものという意識があり、分け合って食べるのが当然だったからなのでしょう。
十五夜には、縁側や窓辺にテーブルを出してすすきや秋草を飾り、秋の夜のひとときを一家で楽しみましょうρ(^o^)ρ
