おいしいだしのポイント

昆布もかつお節も日本特有のだしの材料として古くから使われていますが、昆布はグルタミン酸、かつお節はイノシン酸がうま味の主成分で、両者はともにうま味とはいいながら、成分はそれぞれ異なります。
日本のだし汁は、目的のうま味成分や香りの成分が水のほうへ溶け出したら、あとの余分な味や生臭みが汁のほうへ出てこないうちに抽出をやめ、カスは捨ててしまうという、ぜいたくなとり方をするのが特徴です。
そのため何ヵ月かがかりで作ったかつお節も、使うときはわずか数分間でその役目を終ってしまうのです。
このグルタミン酸とイノシン酸は別々に単独で用いるより、両者を混ぜ合わせたほうがうま味が強くなることがわかっています。
例えば、グルタミン酸は0.03%、イノシン酸は0.05%くらいの水溶液ではじめて味を感じますが、この両者の液を混ぜると、それより10倍くらいの薄い液でもうま味を感じるようになるのです。
このような効果を相乗効果といい、市販のうま味調味料はこの効果を利用し、グルタミン酸に1割程度のイノシン酸を混ぜて作られています。
昆布とかつお節を一緒に使うことは、このようなことが知られていなかった以前からの人々の生活の知恵といえますね(^◇^;)

